こわくない診療・痛くない処置を
心がけます。

耳鼻咽喉科

耳鼻咽喉科イメージ

耳鼻咽喉科とは、聴覚、嗅覚、味覚をはじめ、発声、摂食、嚥下など生活の質に直結する重要な分野を担当する診療科です。
「耳・鼻・のど」だけでなく、首・顔の異常や病気に対する診療も行います。
気になる症状のある方はお気軽にご相談ください。

こんな症状の時はご相談ください

耳の症状
耳が痛い・かゆい、聞こえが悪い、急に聞こえが悪くなった、耳鳴りがする、耳だれ、耳が詰まった感じがする、めまいがする、など。
補聴器の購入相談や、耳掃除だけでの受診も大丈夫です!
鼻の症状
鼻汁、鼻閉、くしゃみ、嗅覚障害(臭いがしない、鈍い、過敏になっている、など)、鼻出血、鼻が臭う、鼻汁がのどに流れる、など。
口・のどの症状
のどが痛い、咳・痰、声がかれる、舌が痛い、味覚障害(味がしない)、口の中が乾燥する、いびき、のどがムズムズするなどの不快感や異物感、口の中にできものがある、つば・痰に血が混ざる、など。
首・顔の症状
首のリンパが腫れている・痛む、耳の下やあごの下が腫れている・痛む、甲状腺が腫れている・痛む、顔半分の動きが悪くなった、など。

耳鼻咽喉科で扱う代表的な疾患

主な耳の病気
中耳炎(急性・滲出性・慢性・真珠腫性 等)、外耳炎、外耳道真菌症、耳垢栓塞、外耳道遺物、突発性難聴、難聴(加齢 等)、メニエール病、良性発作性頭位めまい症、前庭神経炎、耳管狭窄症・開放症 など。
主な鼻の病気
急性鼻炎(風邪症候群 等)、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(急性・慢性)、好酸球性副鼻腔炎、歯性上顎洞炎、鼻出血(鼻血)、鼻中隔湾曲症、鼻茸、嗅覚障害 など。
主な口・のどの病気
扁桃炎(急性・慢性)、咽頭炎(急性・慢性)、喉頭炎(急性・慢性)、舌炎、扁桃周囲膿瘍、喉頭蓋炎、扁桃肥大・アデノイド増殖症、睡眠時無呼吸症候群(SAS)、声帯ポリープ、口腔・喉咽頭腫瘍、味覚障害、口腔カンジダ症、舌痛症、口腔性感染症 など。
主な首・顔の病気
頚部リンパ節炎、おたふくかぜ、唾石症、唾液腺腫瘍、甲状腺機能異常、甲状腺腫瘍、顔面神経麻痺(ベル麻痺、ハント症候群)など。

小児耳鼻咽喉科

成人と同様に耳、鼻、のどなどで起きた症状や異常、病気について診療いたします。診察にあたりましては、お子さんの成長もしっかり踏まえつつ、小児特有の耳鼻咽喉科領域でみられる疾患に対応します。
子どもは、耳と鼻をつなぐ耳管の傾斜角度が成人と比べると平行で、鼻やのどからのウイルスや細菌が中耳に入りやすい特徴があります。そのため、風邪をひくと急性中耳炎を併発することが多いです。小児耳鼻咽喉科では、耳・鼻・のどのすべてをしっかり診察し、そのうえで適切な処置、治療を行うことができます。
また子ども(とくに小さなお子さん)は強い痛みなどがなければ、とくに症状を訴えることはなく、言葉でその状態を表現することは困難です。そのため、保護者やご家族の方の気づきも大切です。何か気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。
鼻を吸ってほしい、耳掃除してほしい、だけでも大丈夫です。

耳の症状
呼びかけているのに気づかない、声が大きい、耳をよく触る、耳が臭う、耳漏がみられる、聞き返しが多い、耳に物を入れてしまって取れない、など。
鼻の症状
鼻水・鼻づまり・くしゃみ、口で息をしている、臭いに気づいていない、鼻をこすることが多い、鼻血がよく出る、鼻に物を入れてしまって取れない、など。
口・のどの症状
のどが痛い、口の中を痛がる、口呼吸が習慣化している、いびきをかいている、嚥下(物の飲み込み)がしにくそう、声がかれている、など。

小児耳鼻咽喉科でよくみられる疾患

  • 中耳炎(急性・慢性・滲出性・真珠腫性)
  • 外耳炎
  • 外耳道異物
  • アレルギー性鼻炎
  • 難聴
  • いびき
  • 急性鼻副鼻腔炎
  • 慢性副鼻腔炎
  • 鼻出血症
  • 花粉症
  • 耳垢塞栓
  • アデノイド増殖症
  • 扁桃肥大
  • 急性咽頭炎・扁桃炎
  • 耳下腺炎など。

アレルギー・舌下免疫療法

アレルギー性鼻炎・花粉症

主に鼻粘膜にアレルゲン(抗原:アレルギーの原因となる物質)が付着し、それによって抗体が体内で作られます。この抗体によって、次に同様の物質が体内へと侵入しようとすると、それに対して過剰なまでに反応した症状(アレルギー反応)がみられるようになります。これをアレルギー性鼻炎と言います。主な症状は、くしゃみ、鼻水、鼻づまりです。小児の場合は、気管支喘息やアトピー性皮膚炎を併発していることも少なくありません。

アレルギー性鼻炎は大きく「通年性」と「季節性」に分けられます。前者は、1年を通して発症し続けるタイプで、ハウスダスト(主にダニ)、ペット(犬、猫 等)、カビ(真菌)などがアレルゲンとなります。後者は、スギやヒノキ、イネなどによって、春や秋など季節限定で起きるタイプで、いわゆる花粉症です。
スギ花粉症は、日本国民の2人に1人が発症する国民病を言われています。
また、花粉症発症の低年齢化も深刻な問題となっています。
花粉症では、原因花粉の飛散する2週間程度前から前もって薬を服用する初期療法が勧められています。

治療について

①アレルゲンの除去

アレルゲンが判明している場合は、できるだけ原因を避けられる環境づくりを整えます。ハウスダストが原因であれば、掃除をこまめにするなどして症状を出にくくしていきます。

②薬による対症療法

症状・ニーズに応じて、内服薬・点鼻薬・点眼薬などを使って症状コントロールをします。重症な方限定で使用できる注射剤もあります。

③外科的治療

上記方法で効果不十分な場合にはレーザーや手術など外科的治療があります。

④舌下免疫療法

根本的な体質改善が見込める唯一の治療法です。

舌下免疫療法

アレルゲン免疫療法は、100年以上も前から行われている治療法です。主には、アレルゲンを含む治療薬を皮下に注射する「皮下免疫療法」が行われていますが、近年では治療薬を舌の下に投与する「舌下免疫療法」が登場し、自宅で服用できるようになりました。

<治療を受けられる方>

  • 5歳以上
  • スギ花粉症またはダニアレルギーの診断が確定している方

<治療を受けられない方>

  • 本剤によるショックを起こしたことのある方
  • 重症の気管支喘息患者
  • 妊娠・授乳中の方
  • 悪性腫瘍、あるいは免疫系に影響を及ぼす全身性疾患の患者
  • 薬剤(非選択的β阻害薬、全身性ステロイド薬など)を使用する患者
  • 重症の心疾患・肺疾患・高血圧症の患者
  • 口腔内に抜歯などの傷がある方

<服用方法>

1日1回、治療薬の錠剤を舌の下に置きます。これを1~2分間程度、保持した後、飲み込みます。服薬直後の5分間は、飲食・うがいは厳禁です。
なお、スギ花粉症の患者さんについては、スギ花粉が飛散する時期に同治療を開始することはできません。そのため、春先は避け、飛散時期を終えてからのスタートとなります。
※スギ・ダニ両方の治療を、1か月ほどタイミングをずらして開始することで、並行して治療を行っていくことも可能です。

<服用期間>

少量の治療薬から服用をはじめ、その後決められた一定量を数年間(3年以上)にわたり継続して服用します。強いアレルギー症状が出る恐れがあるため。初めての服用は院内で行っていただきます。2回目以降は自宅で服用します。

<期待できる効果>

本治療によって、すべての方が完治するわけではありませんが、症状が改善したという方も含めると、8割程度の方(アレルゲン免疫療法全体)に効果がみられています。
症状が完全に抑えられない場合でも、症状を和らげ、アレルギー治療薬の減量が期待できます。

<副作用>

主な副作用は、口の中の腫れ・かゆみ・不快感、のどの不快感、唇が腫れる、耳がかゆいなど、いずれも軽微な症状です。
これまで重篤な副作用の報告はありませんが、極めて稀に重篤な副作用であるショック、アナフィラキシーが発生する可能性は否定できませんので、治療開始後1か月の間、服用後30分間程度は特に注意が必要です。

治療の流れ

①通常の診療

治療内容の説明、治療が可能かどうかの確認を行います。必要に応じて、血液検査で治療の適応かどうか判断します。(3年以内の血液検査のデータをお持ちの方は持参してください)
次回受診日(治療開始日)の決定・予約をお取りします。

②クリニックでの初回投与

投与後は、30分間クリニック内で経過をみます。
受付から終了まで1時間程度かかります。時間に余裕をもってご来院ください。

③2日目~7日目 ご自宅

毎日1日1回、ご自宅で投与していただきます。
7日目に受診が必要です。

④8日目以降 ご自宅

毎日1日1回、ご自宅で投与していただきます。
3年~5年、継続していただきます。1か月に1度は通院が必要です。